もうこの先、叶うことはないのだろうが、俺は女性へ甘え、号泣したいとずっと思ってきた。

 これまでのこと、失望、失敗、後悔や懺悔、全てを許してもらうような抱擁に憧れた。


 豊かな胸に抱かれオッパイの感触を味わい、頭をなでられて少年のように扱われたい。

 そんな願望がずっとあった。


 下半身をすりつけて、黙って女性のカラダの柔らかさを味わう至福。

 射精ギリギリまでを楽しむ、いつ終わるとも分からない感覚の愉悦。


 こういう時、女性の方は俺の興奮を知りつつも気が付かないフリをしてくれて、優しく愛撫を続けてくれる。

 


 しかしこんなこと、どうしてもするとなれば「年上の女性」ということになってしまうのだ。

 しかし俺ももう歳をとったww。立派なオッサンだ。

 そうなると相手は「年上」というより、せいぜい「年下だが成熟した大人の女性」ということになるんだろうが。



 そんなことはもう叶うことはないだろう。

 残念だとつくづく思う。



 女性の側からしたら、誰でも、それほど深い関係でなくてもそんなことが平気でできるものだ。

 俺もそんなオンナの号泣や悲嘆を受け止めたことが何度もあったが、結局、カラダの関係は持てなかった。

 しかし下半身はビンビンだったww。


 あの時、我慢したのを「もったいなかった」と思うこともある。

 それは「逃した魚」ということになるんだろうが、何度同じようなことがあっても俺の態度は変わらなかった。


 あの手のことはそういう後悔しかもたらさないものだと今ではすっかり諦めている。

 むしろ、後悔しているからそれはいい想い出として思い出される、そんなことなんだろう。


 女性の悲嘆を受け止めることとセックスは別だ。泣き顔のオンナとするなど楽しめない。

 別だしどうせセックスするなら楽しみたいというわけw。




 女性はそうやって弱さを見せられるが、それは男には許されない。


 号泣どころか泣くことさえ許されないし、弱さを見せれば足をすくわれる。

 うっかりしていれば自己責任だ。誰かを頼るなんて男は普通はない。

 だいたい、そんなスキのある男には女性は不安しか感じない。


 だから男はせいぜいオンナの前で父親となり教師となり、上司であり、そして強いオトコでいるしかない。


 日頃から男はそんな無理をしている。

 だから、そんな慰められるようなセックス、そういう雰囲気のあるセックスを男は求めるのかも知れない。

 そして、それが嫁ではどうしても叶わないとなれば仕方がない。

 風俗で解消してもらうというわけか。




 よく世間では「包容力」なんて男のことを言ったりするが、それはだから嘘だ。

 男は受け止めているだけ、しっかり踏ん張って立っているだけだ。

 優しさで包んだり、慰めたりする癒しのチカラなんて元からない。


 むしろ包容力は女性にあるべきもので、だから「母の慈愛」なんてイメージがあるはずなのだ。 


 女性が社会的な活躍の場を得ることになって、女性も強くありたいと思うようになってきた。

 だから人の心を包むようなこと、セックスにすらあまりそんな雰囲気がなくなった気がする。


 いや、俺がAVなんかを見ているだけの感想ではあるんだが。




 俺は嫁とはまあバランスよく付き合っている。このところケンカもしなくなった。

 いつもお互いにニコニコとして、穏やかに暮らしている。


 嫁にも包容力はあまりないが、寝ている嫁を起さないようにそうやって隠れて甘える俺だw。